〈神〉との分離を超えて~コルカタ,マザー・ハウスにて(nida’s newsletter- no.65-より)

*こちらの記事は 2018.04.13配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.65-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。


インドから帰ってきたの,先月半ばなのに,

Emilyのホストやら美作行きやら,なんだか色々ありすぎて,もうすごい過去みたいです…


が,インドでわたしが痛烈に感じた体験の一つをぜひシェアさせてください。


わたしね,今回,コルカタに行ったんですよ。

ここ2年ホストしているサロード奏者ディプトニルのお宅に滞在させていただいたついでに。


コルカタといえば,マザー・テレサの活動拠点だった街。


で,今もマザー・テレサが40年以上暮らした部屋や彼女の柩が残る「マザー・ハウス」を訪ねたんですね。


マザー・テレサの部屋はとっても質素で,最低限のものだけがあって。

そこは,シスターたちが相談に来られるように,いつでも扉が開いてたんですって。


そして,柩のある場所。

わたしが訪ねた時も,その棺に覆いかぶさるようにして泣いている女性や,

祈りに来るシスターたちや一般の方がいました。


この柩のある部屋に入った時にわたしが感じたのは,胸がギュ~っと締め付けられるような感覚でした。


この感覚は,もちろん人によって違いますよ。

あくまでも,わたしはそう感じた,という話です。


でもね,生きている時も,亡くなってからも,多くの人たちがマザーを頼って来るのです。

それは,普通に考えたら,とてつもない重荷だと思うんですよね。


このマザーの活動は並大抵の人の精神力じゃできませんよね。


では,彼女自身の心のうちは?

イエスへの信仰によって満たされていたんでしょうか?


実は,マザーの死後に刊行された本があります。

『マザー・テレサ 来て,わたしの光になりなさい』(女子パウロ会)


この本では,マザーが苦悩のうちに書いた「懺悔」の手紙を公開されています。


その中で,マザーは,たとえば


「わたくしの内に神は存在されません。

神を欲する痛みが非常に強いので,わたくしはただ神を求めるのですが,
わたくしが感じるのは,神がわたくしを望まれないことです。

神は不在です。

…神はわたくしを望まれない。

時々自分の心が「わたくしの神よ」と叫ぶのが聞こえます。

でも何も戻ってきません。

この責め苦と痛みを説明できません。」(p.12-13)


と書いているんです。


マザーの手紙を読んでいると,

正直,わたしには,彼女がイエスに恋する少女のように感じられるのです。


彼女はイエスからのコーリング(calling)を受けて,人生を捧げて貧しい人のための活動を貫きました。

それはとてつもない精神力と行動力です。


そして,彼女の手紙の中に見えるのは,報われない片思いの苦しさのようなものです。


勘違いしていただきたくないのですが,わたしはキリスト教についてとやかくいうつもりはありません。

わたしは,どの宗教も「正しい」とか「間違っている」とかいうつもりもないし,

その優劣を比較するつもりもありません。


ただ,わたしの個人的な経験として,こう思うのです。


多くの人からの期待と信頼ととてつもない責任を負って,イエスへの愛に依拠して進みながらも,

「本当はわたしは信仰がない」という深い孤独!

神を信仰するようにと人々に説きながら,自らの内に神を見出せない矛盾!


これはなんと大きな苦悩でしょうか…

わたしなら耐えられません。


だからね,胸がギュ~って苦しくなったんだと思うのです。


そして,これは,根本的に

「外在する神」とわたしの「分離」に由来するものだと,わたしは思うんです。


だって,分離した対象に対しての愛は,見返りを求めてしまうでしょう?


わたしは,ヨガに出会ってラッキーだったと心底思っているんです。

だって,ヨガは「わたし=神(大いなるもの,宇宙…なんでもいいんですけど)」という道だから。


どちらが真実かとか,そんな論議をするつもりはありません。

それに,わたしは,以前も書きましたけど,
イエス自身はまさに悟ったヨギーだったと思っています。

また,マザー・テレサという一人の女性を心から尊敬しています。


わたしたちは,ただ自らの道を自ら選べばいいだけ。


そして,わたしが選ぶのはイバラの贖罪の道ではなく,至福に満ちた源への道というだけ。

ヨガは,「わたし=神」を思い出す道ですから。

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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter ~ living in the moment ~より一部抜粋です。
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