【A:newsletter 版(全文)】自分を満たして広がる
誰かの役に立てるのは嬉しいですよね。
自分にできることがあるということは喜び。
だから,自分にできることを精一杯する。
でも,
その後急に,体調が悪くなったり,
あるいは,不思議と精神的にガタンと落ちてしまったり…
という経験はありませんか?
私にはあります。
今年もありました。
あなたはそういう時どうしていますか?
どうやって回復させますか?
どこか遠いところに行く,とにかく寝る,
好きなものを食べる,好きなことをする…など,
枯渇したエネルギーをチャージするのには
いろいろなやり方があると思います。
先月末,nidaでセミナーをしてくださった谷田学先生。
先生も昨年同じようなことを経験されたそうです。
先生のセミナーは本当におもしろくて,全国から引っ張りだこ。
しかも,とってもサービス精神が旺盛な方でなので,各地からの依頼を受けて喜んで全国を駆け巡った結果,疲弊してしまったそう。
それを受けて,今年のはじめ数カ月間はお休みをとられていました。
自分にできることをしているときは楽しいし,必死だから,わかっていても走り続けることを選んだり,
あるいは,あまりよくわからなかったりします。
でも終わった後に急に気づいたりするんですよね,
本当はエネルギーが枯渇していたことに。
なんでそんなふうに「空っぽ」になってしまうんでしょう?
そうならないためには?
先日,谷田先生のセミナーで,これに関して大きなヒントをいただきました。
それは、谷田先生がご自身の経験を通して見出されたこと。
「まず自分を満たしてから広がる」ということ。
自分の外に向けて,自分のエネルギーを広げるとき,ただ広げるだけでは,中身が空っぽになってしまう。
理由の一つは,
そもそも,わたしたちは通常エネルギータンクが小さすぎるということ。
なぜなら,自分の体までがわたしだと考えているからです。
だから,エネルギータンクは限られていて小さい。
でも,「わたし」という意識を体の外にまで広げたら?
わたしの体の周りにある空気も,大地も,そしてさらに周りの人も,森も,川も,海も,
そこに暮らす動物たちも,地球全体も,太陽も…
みんな「わたし」だと意識を広げたら?
自然界は,エネルギーの無限の循環で成り立っています。
わかりやすい例えをあげるなら,
太陽の光もわたしたちにとっては無限に思えますよね。
水も空気も命も,絶えることなく常に循環しています。
季節は巡り,冬の後にはまた春がやってきます。
自分の体までが「わたし」だと思っていると,その循環が断ち切られていることになります。
でももし「わたし」という意識をもっと大きく拡大したら?
エネルギーは「わたし」の中で無限に循環することになりますよね。
つまり,体を超えた
尽きることのないエネルギータンクを持っている、ことになるわけです。
単に好きなものを食べるとかいうレベルでは
すぐにタンクが空になるけど,
こうやって無限のエネルギータンクを持っていると考えたら…?
これって,すごく目からウロコなヒントだと思うのです!
そして同時に,このときにポイントとなるのが,「まず自分を満たして広がる」こと。
エネルギーは,意識を向けたところに流れます。
外に向けて放出するだけだと,内側に残らなくなるのは必然。
これって,周りに対して自分のできることをするときも同じですね。
自分の内側から満たして,「わたし」が広がること。
そして,広がった「わたし」の無限の循環によってまた自分の内側も満ちる。
う~ん,それなら,
ずっと疲れにくくなる,枯渇しにくくなると思いません?
「抱きしめる聖者」と呼ばれる聖人,偉大なyogini アンマ。
世界中で,やって来る者すべてに惜しみなく抱擁を与えています。
(=「ダルシャン」,わたしも先月東京で受けてきました)。
先日読んだ彼女についての本にこんな一節がありました。
ニューヨークの新聞記者がアンマに,
何時間にもわたって帰依者にダルシャンをした後でも疲れない秘訣について尋ねたところ,アンマはこう言った。
「わたしは使うたびに活力を失うような電池ではなく,
永遠に枯れることのない活力の源につながっているのです。」
(スワミ・ラーマクリシュナーナンダ・プリ『アンマの導きー霊性の道』より)
彼女はまさに,いつも満たされているから「わたし」である「あなた」を抱きしめ続けられるんですね。
まず自分を満たして,「わたし」が広がる。
本来の「わたし」のエネルギータンクは無限であること,
アンマのように常時そのように生きることができなくても
そのような意識で生きること,それが可能であることを学び,ほんの少しずつでも試してみてはどうでしょう?