ただ聴く(nida’s newsletter- no.42-より)

*こちらの記事は 2017.11.03配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.42-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。


前回,「ただ観る」というテーマを掲げました。

続く今回は,「ただ聴く」ということをやってみましょう。


「聴く」と言っても,

耳をすませていろんな音をよく聞きましょう,ということではありません。


たとえて言うのなら,

「全身を耳にして聴く」という感じです。


…て,そもそも「耳」って何をしているんでしょうか?

音という「波」をキャッチしているんですよね。


鼓膜にその「波」が伝わって,それが小さな骨によって増幅されて,

さらに電気信号に変換されて,神経を通って脳に伝わり,知覚・認知されます。


そう,わたしたちは「波」を捉えているのです。

そして,音も「波」,それが変換された電気信号もまた「波」。


つまり,「聴く」というのは,「波」をキャッチする,ということ。


「波」という点では,光も同じですね。


ですから,「全身を耳にして聴く」という意図は,言い換えれば,

「全身で内外の波をキャッチする」ということです。


ヨガ哲学には,”spanda”(スパンダ)という概念があります。


spandaとは,「ヴァイブレーション」,

つまり,「波動」「脈動」といった意味です。


そして,すべてはspandaである,と。


つまり,すべては,拡張と収縮を繰り返す「波動」である,という考え方です


音や光だけでなく,すべてが「波」。

わたしたちの思いや思考もまた「波」です。


ほら,

この人悪い人じゃないんだけど,なんとなく一緒にいると疲れるんだよなー

…という人とか,周りにいませんか?


それも,あなたがその人の内側からの「波」をキャッチしている結果です。

ことばでは説明できないかもしれないけれど,

その人から発せられている「波」をわたしたちは無意識に感じているのです。


ということは,もちろん逆もまたしかり。

あなた自身も同様に,「波」を発しているのです。

それはあなたの周りの人や空間に広がって,キャッチされています。


あらゆるものはspandaですから,

もちろん人間だけでなく,すべてが「波」を発し合っています。


そして,そうやってわたしたちはお互いの「波」が共振し合う中で生きているのです。


また,spandaは

「ヴァイブレーションなきヴァイブレーション」であると言われます。


動いているように見えなくても,すべては絶え間なく動き続けています。


すべては「波」。

たとえ波立っているように見えなくても,決して途切れることのない「波」。


それこそがすべてに共通する「本質」の特徴だから,

わたしたちにも当然それが備わっているのです。

呼吸や脈拍にもそれを感じることができる。


すべてはspandaです。


だから,全身を耳にして,内外のあらゆる「波」をただ聴いてみてください。

それこそ,わたしたちの「本質」に回帰する

シンプルでパワフルな手立てだと思うのです。

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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter ~ living in the moment ~より一部抜粋です。
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