アクローダ〜怒りからの自由

みなさんは,日常の中でイライラすること,ありますか?

私はかつて,めーっちゃくちゃありました。

小さいころから悪口や不満をよく言っていたように思いますが,
教員時代の初期は特に多かったと思います。

なんでこんなに一生懸命教えているのに,
この人たち寝てんの?!
なんでちゃんと勉強せんの?!とか

…ほかにもいろいろなことで不平不満を抱えていました。
 
 
それがねー,
今は本当に減ってるんですよね。
ずいぶんのんびりしたものです。

気持ちがこんなふうに穏やかになってきたのは,年をとったことももちろんあると思うけど(笑),yogaの影響が明らかに大きい。
 
 
「何か大きなもの(something great)」
に委ねることを学んだから。

でも,もちろんゼロじゃないし,
怒りの「種」は日常の中でたくさん生まれてくるんですよね。

別にイライラするわけじゃない。

だけど,
「うーん,これはちょっとどうかなあ…」
「え〜私だったらこうはしないけどなあ…」

心の内側にふと生まれる,
さざ波のような違和感。

これもまさに怒りの「種」なのだと,
ふと気づくときがあるんです。
 
 
 
グルマーイ・チッドヴィラーサーナンダは,
著書『神は純粋な心を愛する』の中で,
怒りについてこのように書いています。
 
 
「 基本的には,怒りとは,自分の思い通りにするために,自分自身や他人にしかける策略です。」
 
 
心の中にさざ波が立つということは,
裏返して言えば,自分の内側に何か期待や
欲望があるということ。

だから,思い通りに行かないと,私たちはイライラしたり,呆れたり,悲しくなったりするわけです。

グルマーイはこうも述べられています。
 
 
「怒りとは内なる敵の中で最悪のものです。

なぜなら,それは終わりのない欲望の鎖とつながっているからです。

不満足があるときには必ず怒りがあります。

一つの欲望がある所はどこでも必ず別の欲望があります。」
 
 
では,私たちは一体どうしたらいいんでしょう?

私は,このグルマーイの問いかけが
とても重要だと思っています。
 
 
「それ(怒り)について,
あなた自身の中で人生の中で考えてみてください。

他人の人生ではありません。
他人の人生は放っておきなさい。

あなた自身の人生の中で,あなたはいつ怒りましたか。

どのように怒りましたか。

なぜ怒りましたか。

怒りを何に利用しましたか。

その結果はどうでしたか。」
 
 
自らに問いかけ,自らの内に沸き上がって来るものに,いつも気づいておけるように
practiceが必要なんですよね。

そうしないと…
 
 
「怒りは,ほかの誰からも見えないように
どこか内側深くに隠すこともできません。

もしあなたがそう考えているのなら,
それは大きな間違いです。

あなたは気付いていませんが,
怒りはあなたの身体のあらゆる部分からにじみ出ます。

ですから,あなた以外は誰でもそれがわかります。

あなたは,とても前向きで,とても素晴らしく,いかにもヨーガの修行者であるというイメージを醸し出して歩き回っていると思っているかもしれません。

しかし,怒りが身体の細胞の中に巣食っていると,それは姿を現してきます。」
 
 

「あなたが本当に幸せなのはいつですか。

欲望が蓄積されて怒りへと変わる前に欲望を解消できたとき,

欲望の種子をつかまえて意のままに燃やすことができたとき,

あなたはとても幸せな人となります。」
 
 
 
グルマーイのおっしゃる通りだと,私も思います。

だから,まず自分の内に沸き上がってくるものに気づいていられるように,practiceを続けます。

そして,その後はどうしたら?

グルマーイの師,バーバ・ムクタナンダのことばを記しておきますね。

………………

人々がバーバに,
「どうやって怒りをなくすのでしょう」
と尋ねると,
バーバはいつもこう答えたものです。

「ただ捨てなさい」。

バーバがそう言うとき,人々にそうするための恩恵と意思も与えました。

それは実践するための崇高な教えです。
 
 
ただ捨てる。

ただ行う。
 
 
怒りを手放す過程で,

あなたは熟考し,自己探究をし,

心の周りに外皮のように蓄積した幾層もの印象と,そこから生じる必然的な結果を超越します。

それらは神の愛というヨーガの炎の中に溶けていきます。

精神の道において,
自分のやり方を通すことは,
あなたを解放へと導くものではありません。

解放は,あなたが神のやり方を見いだし,
それに従うときにやってきます。

 
 
(ちなみに,私は特定の宗教はありません。
 
なので,正直なところ,私には
「神」という語よりも”something great”とでもした方がしっくり来ます。

yogaでは実際,「神」以外の他の呼び方をしていっこうにかまわない。

あなた自身にすっとなじむことばで読み替えていただければいいと思います。
蛇足ながら。)

日々の中で,自分の内側の怒りの「種」,さざ波に気がついたら,
ちょっと思い出してみてください。

怒りが隠せないほど大きく広がったときにも,ちょっとここに戻ってみてください。

何も変わらないかもしれないけど,
何か変わるかもしれません。
 
 
 
私たちを先導する,
大いなるガイドの存在に感謝。

この本をくださった,
私の直接の先生にも感謝。

そして,クラスをご一緒してくださった生徒のみなさま,blogを読んでくださったみなさまにも,ありがとうです。

[memo] peak pose
for basic: twisted high lunge
for advanced: baddha parsvakonasan