ガネーシャ2〜理性と感情のバランス〜

ガネーシャには,たくさんのエピソードがあります。
今回もまた,その一つをご紹介します。
 
 
ガネーシャの身体は,子ども。
彼はお菓子が大好きです。

ガネーシャの乗り物は,ネズミ。
象頭がネズミに乗っているなんておかしいんですけどね(笑)
 
 
さて,ガネーシャはある夜,上機嫌でお散歩をしていました。

お腹いっぱいお菓子を食べて,ネズミに乗って。

すると,突然ヘビが出て来て,
ネズミは驚きのあまり,大慌て!!

ガネーシャは振り落とされて,
地面に叩き付けられてしまいました。

その衝撃で,太鼓っ腹が破裂!!
お腹の中から,大量のお菓子が飛び出す始末。

この事態に,ガネーシャは大激怒。

自分をえらい目に合わせたヘビをふん掴んで,それを結びつけ,自分のお腹を応急処置。
 
 
あっはっは~!!
想像するだに,おっかしーですよね。

しかし,話はこれで終わりません。

この超おっかしー事態を目撃していた者がいたのです。

それは,お月さん。

そして,当然大笑い。

ガネーシャは, 自分を笑っている者の存在に気づくと,怒りのあまり自分のキバを一本折り,お月さんに向かって投げつけました。

そして,命中!!

以来,お月さんは丸いままで居られなくなり,満ち欠けをするようになった…というお話です。
 
 
 
ガネーシャは,学問の神,知恵の神,としても知られます。

それなのに,自分を痛い目に合わせたり,
自分を笑い者にしたりした相手に対して,
怒りをあらわにし,大八つ当たり行為におよびました。

神様でさえ,感情的になって,このような愚かなことをする。
 
 
私たち人間は,もっと,ですよね。

私たちの内側の感情は,いつだって波立ってしまいがち。
 
 
でも,人間には,理性とか判断力とか言われるものも備わっています。

しかし,ときにそれが強過ぎると,いろいろと言い訳をつけて自分を正当化したり,

いろいろと頭で考え過ぎて
結局なかなか実際に踏み出せなかったり…

という場合も。
 
 
みなさん自身のバランスはいかがですか?

感情は悪い,理性は良い,などという話をしているのではありません。

どちらもあって当たり前。

ただ,どちらに偏り過ぎても,あまりすてきな結果にはつながらない。

大切なのは,「バランス」, ということだと思うのです。
 
 
ただ,そのバランスをとるにも,
理性・判断力が必要なのは確かで。

自分が今どんなバランスにあるのかまずわからないと,手のうちようがないですから。
 
 
ガネーシャは,象の頭を持ち,ネズミに乗っていますよね。

象は賢く,その小さな眼は,繊細なものまで見通します。

それに対して,ネズミは眼がほとんど見えず,暗い中を走り回ります。

ガネーシャは,象の頭=知をもって,ネズミ=無知を調教しているのです。
 
 
私たちも,それにならいます。

自分がいまどのような状態なのかに知性をもって気づき,感情を上手に扱って,
今の自分にできる最適なバランスを探り続けます。

私たちの内側奥深くに待つ私たちの「本質」につながるために。

[memo] peak pose
for basic: Prasarita padottanasana or Ardha chandrasana
for advanced: Vakratundasana