スペースの中へ (nida’s newsletter- no.76-より)

*こちらの記事は 2018.06.29配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.76-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。


私事ですが,この6月いっぱい,なんだか妙に忙しくて。

この春からようやく週に2日休みをとることができていたのですが,来月1ヶ月間日本を離れることもあり,今月はそうはいきませんでした。

それはと~ってもありがたいことなのですが,
同時に,身体的,時間的,精神的にスペースがちょっと足りなくなっているなあ…
ということは自覚し続けていました。


あなたはどうですか?

日々の暮らしの中で,スペースは十分にありますか?

身体に。

時間に。

心の中に。

あるいは,頭の中に。


わたしの現状は,普通の企業に勤めている方よりもずっとスペースがあるんだろうなと思います。

かつて教員を,特に専任教諭をしていた時は,今よりずっとスペースがなかったですね…


でも,初期の頃は,そもそもスペースがないことに「気づいてさえいなかった」気がします。

そして,それこそが最大の問題でした。

今は,ちょっとスペースが足りなくなってきているなあと「気づけている」だけで,大進歩だなあと思うのです。

スペースがない,と「気づく」ことができたら,広げることができますから。


本来,スペースの「種」は,わたしたちの内に無限にあります。

どこからでもそこへ入っていくことができる。そこから広げることができる。


例えば,手を合わせるでしょう。”Namaste”の手にする。

その手を合わせている部分を感じてみてください。

全部は触れ合っていません。

その,両手の間のスペースに静かに意識を向けてみる。

それだけで,そのスペースの中に吸い込まれていくような体験がやってくるかもしれません。


あるいは,呼吸に意識を向けてみる。

わたしたちの生活の中にスペースがなくて,呼吸をしていることさえ忘れていたとしても,呼吸は無意識のうちにも必ず続いていますね。

だから生きていられる。

息を吐くと,次の吸う息を迎え入れるスペースができる。

そのスペースに,自ずと新しい空気がやってくる。

普段無意識な呼吸に意識を向けて,自分の内なるスペースに改めて気づく。

すると,その内なるスペースが,静けさが,広がって行く感覚に満たされるかもしれません。


物質的な面から観ても,原子の内側はほぼ「空」です。

わたしたちは,空気はスペースに満ちていて,わたしたちの身体を含む物質はスペースが小さいと思っているけれど,本当は違います。


あらゆるものは,すべて「空」の集合です。スペースに満ちています。

気づけばいつも必要なスペースの種はわたしたちの内に。

一瞬にして,わたしたちはいつでもそこに入っていくことができる。

そこから,いくらでもスペースを広げていくことができる。


お互いに,いつもそのことを覚えていましょう。