深く根ざすほど 純粋に,軽やかに(nida’s newsletter- no.92-より)

*こちらの記事は 2018.10.26配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.92-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。

先日,久しぶりにダライ・ラマ法王のお姿を動画で拝見する機会がありました。

なんて美しいんだろう…


法王さまの肉体年齢は83歳。

でも,信じられないほどキラキラ輝いておられる!

その瞳は子供のような澄みわたっていらっしゃる!

相変わらずなんて純粋で軽やかな輝きに満ちた方なんだろう…と,

改めて圧倒されました。

(ちなみに,わたしは仏教徒ではありませんし,政治的意図もありません。念のため。)

あの純粋さと軽やかさ!!


実は,数年前,横浜での法王の講話を聞きに行ったときにも,まったく同じ印象を受けました。

そのときの講話の内容はほとんど覚えていないのですが(笑),

でも,今でも忘れられないことがあります。


講話の後の質疑応答でのこと。

ある女性が法王さまに質問,というか,懇願をしました。


小さな子供のいるその女性は,法王さまをお慕いし,子供と一緒によくDVDなどを観ています,と。

それから,その子の通う幼稚園だか保育園だかで,ある子供が虐待によって亡くなったことを受けて,みんな悲しみに沈んでいます,と。

ぜひ,わたしたちにお言葉を!


…というような話をされたんですよね。

語弊を恐れずに私見を言えば,「すがった」んです。

一体,法王さまはこの人に何とお答えになるんだろう?と興味深く見守りました。


あなただったら,この女性にどう答えますか?

わたしは,そのときの法王さまの対応を今でも忘れられません。


法王さまは,

「わたしは専門家じゃないからわかりません。専門家にお聞きになったらどうですか。」

というようなことをお答えになったんです(笑)


そして,それから…

「ただ,仏教では…」と,仏教のお知恵をシェアされたんです。

わたしはそのとき,ああ,これが真の導き手のあり方だわ…と,深く感じ入りました。


法王さまのはっきりと見せてくださったこのあり方は,その後今に至るまでずっと,わたしの中のロールモデルというか,

真理に深く根ざした方とはこういう方なんだ,という理解として残り続けています。


ご存知の通り,チベットは長い間苦境を強いられ,多くの人々が法王さまに期待や悲しみを寄せてきました。

世界全体の平和に関わる責任も大きなお立場…

そのとてつもない重責を背負いながらもなお,なんて純粋で軽やかな方なんだろう!!

と,驚嘆したのです。


それは,法王さまは明らかに「個」を超えていらっしゃるからではないかと思います。

もちろん身体も感情もおありです。

でも同時に,それを超えた仏教の示す「真理」の媒介として在られるのではないかと観じます。


「真理」に深く根ざしているからこそ,純粋さが,その輝きがにじみ出ていらっしゃる。

そして,「真理」に深く根ざしているからこそ,「個」で背負わないでいい。

「個」を超えていらっしゃるからこそ,とてつもなく軽やかでいらっしゃる。

仏陀が説かれた道もヨガも,伝え方は違えど,「真理」を示し,そこへ至る道を示すもの。


その道を進み,わたしたちの内なる本質,一点のくもりもない純粋な輝きに近づくほどに,

マインドのフィルターはクリアになり,わたしたしはより純粋な輝きを増し,軽やかになっていく。


ダライ・ラマ法王やすばらしいヨギーたちが示してくれているこの輝きは,わたしたち一人一人の内にもあります。


たとえわたしたちが忘れていたとしても,たとえわたしたちの目がくもっていて観えなくなっていても,

生まれたころから決して変わることなく,わたしたちの内に常にあるのです。


そして,わたしたちは誰しも,先人たちの示してくれているこの道を選び,進むことができるのです。


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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter ~ living in the moment ~より一部抜粋です。
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