相反するものは今ここ同時にある(nida’s newsletter- no44.-より)
*こちらの記事は 2017.11.17配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.44-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。
先々週のクラスでは,「ただ聴く」というテーマを持ってpracticeしました。
その時にご紹介したのが,ヨガ哲学における”spanda”(スパンダ)という概念。
Spandaとは,「ヴァイブレーション」,
つまり,「波動」「脈動」といった意味です。
そして,すべてはspandaである,と。
つまり,すべては「拡張」と「収縮」を繰り返す「波動」である,
という考え方です。
その時のクラスでは,繰り返す「拡張」作用と「収縮」作用を
呼吸を例として主に意識しながら動き,感じ,聴くことをガイドしました。
ですから,このときに喚起した「波」というのは,
拡張→収縮→拡張→収縮→拡張…と繰り返すイメージだったんですね。
いわば,時系列に沿った波のイメージです。
でも,今回はそれだけじゃなく,
波をイマココで切った断面のようなイメージを
喚起したいなと思ったんですね。
つまり,拡張と収縮というのは,時間に沿って繰り返すだけでなく,
今この瞬間に同時にも起きている,というイメージです。
拡張だけがある瞬間も,収縮だけがある瞬間もありません。
どこかで拡張が起きているのなら,セットで必ず収縮も起きています。
それは,何を「一つ」と観るか,その単位によって変わるとも言えます。
そして,その「一つ」はいかなるレベルにも観ることができます。
わたしの身体を一つと観ることも,その中を分化することも,
あるいは,地域,国,地球,宇宙を一つと観ることもできるわけですから。
例えば,わたしの身体を一つの単位と観るとき,
わたしが空気を吸い入れて拡張しているのなら,
わたしの外ではそのぶん空気が減ってその逆が起こっていると考えることもできますね。
でも,わたし身体の前側を一つ,後ろ側を一つ,と
それぞれ分けて観るのであれば,
息を吸い入れると体の前側の拡張と,後ろ側の収縮を同時に観てとることもできますね。
あらゆる拡張と収縮は,どこでもなんでも必ずセットで存在するはずです。
肩首周りはすごく緊張しているのに,ハラは緩んでいたりするように,
同じ組織の中で誰かが激しく忙しいとき,なぜか超ヒマそうな人もいたりね(笑)
すごく威勢のいいことを言いながら,内心不安でいっぱいなんてこともありますよね。
拡張と収縮のバランスには幅がありますが,
どっちかだけしかない,ということはないはずなのです。
このことを谷田先生は陰陽の関係性を描いた太極図でよく説明してくださるように。
ヨガではシヴァとシャクティの対で説明されたりします。
先月のKimの初来日WSでもテーマに取り上げられていました。
それぞれが双方を必要としていて,片方だけではあり得ないのです。
宇宙の内側が拡張しているときは,
宇宙の外側が収縮しているのでしょう。
今この瞬間に,相反するものが同時に起きています。
眼を閉じて,それを観じてみてください。
ものごとの片っぽだけしか観えないときには,そのことを思い出してみてください。
そして同時に,一つ一つが相反する作用を呈しているだけでなく,
相反するようにみえるすべては,本当は究極的な「一つ」の異なるあらわれ,
つまり,究極的な「一つ」はそうやって相反するものがともに在って
はじめて成り立っていることを。
yogaはそれを深く思い出していくための道なのですから。
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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter ~ living in the moment ~より一部抜粋です。
記事全文はnidaのnewsletterのみで掲載されています。
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