「一見相反するものから成り立つ ”ひとつ”」(nida’s newsletter no.4 より)
こちらの記事は,2017/02/10nida’s newsletter 〜 living in the moment -no.4-〜より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。
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先週,yogaやアーユルヴェーダで言う「五大要素」(地・水・火・風・空)のうちの「地」をテーマに扱いました。
「地」には,他の要素に比べて,安定していて,重く,かたくて,密度が高いといった特徴がありましたよね。
さて,考えてみれば,この「地」に対して「空」では,いわばまるで反対の特徴がほとんどです。
動き回るわけではありませんが,軽くて(というか重量がない),手触りはなく,密度が低い(というか0)わけですから。
でも,思い出してみてください,世界のすべてのものは,このまるで反対のように見える「地」と「空」にさらに異なる水・火・風をも包含している,ということを。
純粋な「地」の要素のみ,というのは基本的に存在しません。
例えば,土を考えてみても,その中には水分も空気も含まれていますよね。
もちろん,わたしたち一人一人も,互いに異なる,相反するようにさえ見える特性を同時に持ち合わせています。
これって,当たり前のこととはいえ,改めて考えてみると,とっても興味深くて不思議だなあと,思うんです。
だって,自分の中にそれが同居していて,しかも,片方が深まると,もう片方がさらに活きたりするから。
例えば,ポーズの中でも,基盤となる部分の「地」が増すと,上部の方では「空」が増す感じがしませんか?
例えば,心が安定して穏やかになるほど,周りの人や出来事に左右されなくなりますよね。
つまり,自分の自由,スペースが広がるということ。
重くなるほど,軽くなる。
安定するほど,自由になる。
美しいバランスって,多分こういうことなんじゃないかなあと思うのです。
相反するように見えるもののどちらかに偏るのではなく,相反するように見えるものが互いに互いを引き立て合うような。
わたしたちには,相反するように見えるもののどちらも必要なんですよね。
呼吸は,吸うことと吐くことから成り立っています。
横隔膜は,上昇と下降を繰り返します。
肺は,拡張と収縮を繰り返します。
波は,寄せては返すことで成り立っています。
木は,葉をつけることと落とすことを繰り返します。
季節は,夏と冬を繰り返します。
相反するように見えるものが,どちらも在ることによって「ひとつ」を成り立たせています。
それは,すべてのものに共通する「本質」の特徴と言われます。
yogaのクラスで唱える「オーム」の音も,まさにそれを示すもの。
Aは「始まり」,Uは「維持」,Mは「終わり」。
「終わり」はまた次の「始まり」。
そして,どちらも繰り返しながら「ひとつ」として続いていく。
わたしの内にある,相反するように見えるものが,
わたしという「ひとつ」を成り立たせている。
相反するように見えるわたしとあなたが,相反するように見える天と地が,世界という「ひとつ」を成り立たせている。
そのどちらも,「ひとつ」の異なる側面なだけ。
yogaのpracticeは,まさにそれを学ぶためのプロセスなのだと思います。
相反するように見えるものから「ひとつ」が,つまりは「すべて」が成り立つ。
それは,当たり前のようで,実はとても深遠で美しいなと思うのです。
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こちらの記事は毎週金曜配信のnida’s newsletter 〜 living in the moment 〜より一部抜粋です。
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