より安定したバランスへ

あなたは,日々生きている中で

過去に起きたことを思い出して苦しんだり,

辛いことを我慢していたり,

緊張や不安から逃れられなかったり,

…などということはありますか?
 
 
わたしはあります。
 
 
以前に比べれば,今はかなり楽天的に暮らしていますが,

心に何かフックが引っかかっていて,それがチクチク痛む,みたいなこと,結構あります。
 
 
そういう時,あなたはどうされていますか?

ストレス溜まったら,ポーズ練習で身体を動かしたり,

色々我慢した分,好きなものをたくさん食べたり,

頑張って疲れたら,旅行に行ったりリラックスしたり…

わたしたちってよくそうやってバランスをとろうとしませんか?
 
 
でも,実際には,
それで少し整ったバランスって
あんまり長続きしませんよね?(笑)

言ってみれば,
苦しくなったらまたちょっとバランス整えて,
でも一時的で大してもたなくて,また崩れて,
またバランスをとろうとするけどやっぱり長続きしなくて…
 
 
なんか,人生の中で,
ずーっとこれを繰り返しているような気がするんですよね。
 
 
一体なぜなんでしょう?!

今更かもしれませんが,
最近はっきりと気がついたことがあります。

これは,いわば
 
 

「同じ平面上にとどまっている」からなんじゃないか,と。
 
 
同じ平面上で

あっちに行ってしばらくはよかったけど,

うまくいかなくなったからまた別の方に行って,

そっちもまた少ししたらダメで,また別の方に行って…

それはいわば,決して穴に落ちることなくビリヤード台の上で転げ回ってるボールみたいだなあ~って。
 
 
こんなふうに,
どこまで行っても結局同じ平面上にいるから
行き詰まってしまうんじゃないかなー,と。
 
 
言い換えれば,

「小さなわたし」=egoのレベルで生きているから,

いつまでたっても苦しみから逃れられないんじゃないかなー,と。

この次元から,別の次元に移らないと変わらないんですね,きっと。
 
 
 
以前,Karma malaについて書いた際に(newsletter no.15掲載,ブログには近日中に要約を公開します),

マザー・テレサの例を出したことがあります。

彼女の行為は,決して「小さなわたし」のレベルでは、成し得なかったと思うのです。

もし「あーー疲れた。もうやってられない。」と思っていたら
絶対にできることではなかったと思うからです。

それはたとえば,

「私は道具に過ぎません。
神の手のひらの中にある小さな鉛筆のようなものです。」

という彼女自身のことばにもあられているように思います。
 
 
もちろん,彼女も人間ですから,
きっと「小さなわたし」の次元での葛藤もあったと思いますが,

それだけでなく

より大部分を「大きなわたし」の次元で生きていたからこそあれほど大きなmissionを果たすことができたのだろうと思うのです。
 
 
そして,実は,このように「大きなわたし」次元で生きる時間・場が増えることによってこそ

わたしたちは,より大きな喜びと平安に満ちて生きることができるようになるということなんじゃないか…と。
 
 
要は,「小さなわたし」の次元で,
同じ平面上でバランスをとろうとしても一時的なものに過ぎないから,

むしろ,縦に次元をまたいで,
「大きなわたし」の次元に少しずつでも移行することによってより安定した長期的なバランスを得られるのでは?

…ということです。
 
 
ヨガを続けてきて,
それがようやく最近クッキリ見えてきた気がしているのです。

うーん,もう苦しいのはここまでで散々やったから,もうそろそろいいんじゃないかなー,って(笑)

わたしは今,心底感じ始めているのです。
 
 
 
3月にバリでCarlos Pomeda先生に再び学ぶ光栄にあずかった時,

先生がこうおっしゃっていたのをよく覚えています。

「ヨガは,苦しいときのためのものですよ」と。
 
 
その通りだと思います。

ヨガはまさに

わたしたちが,

苦しいことの繰り返しから,
より大きな喜びと平安に満ちた「大きなわたし」の次元へと向かうために
手助けになるツールだと感じています。
 
 
なぜなら,ヨガは常に
「あなたは大いなるもののあらわれなのですよ」と教えるからです。

「わたしたちはみんな同じ大いなる源からあらわれているのですよ」と。

わたしたちが,その本性通りに生きたなら,

もっと「大きなわたし」で

もっと「これをするために生まれてきたんだ」と思えることをできたなら,

こんなに苦しい思いをしなくて済むんじゃないかと思うんです。
 
 
「小さなわたし」の中に閉じこもっていなければ,疲れも少なく,もっと内側からエネルギーが湧き上がってくるはず,と。
 
 
わたしたちは,身体を持った一人の人間です。

だから,ほんの一部の人を除き,
「小さなわたし」の次元からは完全には逃れられないかもしれない。

そして,それでいいと思うんです。

その次元はそれで必要だと。

でも,その次元で苦しんでいることに気がついたらすぐに一度そこから出られたらいいよね,と思うわけです。
 
 
大切なことは,「小さなわたし」の平面上だけでバランスをとろうとしないこと。

その平面上のバランスはあくまでも一時的な,いわば対処療法的なバランスに過ぎないからです。

より根本的なバランスは,
あくまでも「大きなわたし」の次元が入らなければ もたらされないのではないでしょうか。
 
 
苦しいのはきっと「小さなわたし」の次元にいる証拠。

そのことをいつも思い出し,
気がついたら「大きなわたし」へと還ることで,より大きなバランスへ,

より喜びと平安に満ちた,長期的で安定感のあるバランスへ。
 
 
もし,あなたが人生においてそんなバランスを欲しているのなら,ヨガはきっとその助けになると思います。
 
 
少なくとも,わたし自身にとってはそうで,わたしもまさに今そこへ向かっています。

少しずつでも真実の光が射す方へ。