Open to Grace(nida’s newsletter- no.22-より)

*こちらの記事は 2017.06.16配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.22-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。


わたしがヨガを始めてから最も大きく変わったのは,

何か「大きなもの」を信じられるようになった,

委ねられるようになった,ということだと思っています。


それはまさに,わたしの学び続けているアヌサラヨガの

「アラインメントの普遍的原則」における第一原則

“Open to Grace”
(優美なるもの,大いなるものに向かってひらく)に当たります。


でも,もともとわたしはそれがまったくできない人間でした。

できないどころか,むしろ逆。

信じないどころか,大嫌いでした。


それを決定的にしたのは,高校生2年生のときに経験した友人の死です。


わたしは当時,毎日1時間半かけて, 中高一貫校に通っていました。


東京近郊から広く生徒が集まる中,

中学3年生の時に,家から約5分の近所に彼女が住んでいることを知り,

高校生の時にはほぼ毎朝一緒に通学していました。


高校2年生の冬休みが明けると,なぜか彼女の欠席が続きました。

しばらくしてから,先生が

実は冬休み中に,持病の喘息喘息の発作が起きて

ICUに入った,と。


そして,

そのまま彼女は亡くなってしまいました。


私が通っていた学校はキリスト教プロテスタントの学校。

でも実際,信者の生徒はほとんどいません。


そんな中で,彼女の一家は,毎週日曜日に教会に行く,キリスト教徒でした。

とてもあたたくて穏やかなご家族でした。


彼女自身も本当に優しい子で,将来は医師を目指していたようでした。


わたしにはとても信じられませんでした。


なんで彼女のような,社会に役立つはずのすばらしい若者が早く死んで,

わたしのような,将来の夢もなく,自分勝手な人間が生き残るのか…


こんな理不尽なことはない!!


そして,

わたしのような人間は幸せになってはいけないと,自分を責めました。

自分で自分にかけた呪縛はその後かなり長く続きました。


神を「呪い」ました。


今でも覚えているのは,先生に頼まれて用意した弔辞の原稿に書いた文。

「彼女とわたしの間にはたくさんの約束がありました。
でも,神様との約束が優先されたようです」

って。

当然,削除になりましたけどね(笑)


ともあれ,このことがあって以来,

わたしは一層神様が嫌いになりました。信じなくなりました。


絶対的な,「大いなるもの」の存在を否定して生きてきました。


そんなわたしが
「大いなるもの」を受け入れるようになった決定的なきっかけ…

それがヨガでした。


では,なんでキリスト教は受け入れられなかったわたしに,

ヨガ哲学は入ってきたのか?


わたしにはおそらく,外在する唯一の絶対的な神,という概念が合わなかったんですね。

イエスという,外在する,罪深い人間と神との仲介者,というのも。


それに対して,ヨガ哲学では,

すべてがいわば神,「大いなるもの」のあらわれ,

つまり,あなたも,わたしも「大いなるもの」,

ということを示してくれたことが,

わたしにとっては決定的だったのだと思います。


強調しておきますが,

あくまでも,わたしにとっては,という話ですし,

キリスト教についての批判などではまっっったくありません!


むしろ,おそらく本質的には,キリスト教もヨガ哲学も同じことを考えていて

ただ「示し方」が違うだけなのだろうと思います。

その点,わたしの理解が足りなかったことも,今はわかります。


ただ,それぞれ自分に合った,使いやすい表し方,ツールを
選択すればいいと思うわけです。


わたしには,ヨガというツールが使い勝手がよかっただけ。

そして,使いやすいツールが見つかったら,後はその練習だけで。


すべてが「大いなるもの」,すべてが完璧,と
ストレートに伝えるヨガをなんとなーくいいな~と思って実践しているうちに,

じわじわとわたしの中にあった自己嫌悪や罪の意識も溶けて行きました。


“Open to Grace”が進むと,人生のすべてが変わり始めました。


自力で何とかしなくてはと肩肘張っていたことが
逆にどんなに傲慢で,自分も周りも苦しめる結果を招いていたのか

「大いなるもの」を受け止めることで
そのあらわれである自分が
いかに自由になり,可能性が拓けるのか

身をもって体験し,いつの間にかヨガの先生にもなっていました(笑)

“Open to Grace”は,まさに

「アラインメントの普遍的原則」における

唯一無二の「第一原則」です。


あなたの人生を変える力を持つ,

心の,人生の,

美しい「キーアラインメント」だと思うのです。