the power of Presence(nida’s newsletter- no.82-より)
*こちらの記事は 2018.08.17配信の,nida’s newsletter~ living in the moment ~- no.82-より抜粋して引用したものを以下に掲載しています。
わたしは7月の1ヵ月間,バリ島でのEmilyのティーチャートレーニングでアシスタントティーチャーを務めていました。
さて,トレーニングも終わりに近づいた頃,Emilyに「このトレーニングで1番学んだことを3つ挙げるとしたら何?」と聞かれたんです。
3つ挙げると長いので(笑),今日は,そのうち一番に答えたものをシェアしますね。
わたしの答えは,
“the power of Presence”
「存在そのものの力」
文字通り,ただそこに「ある」ということの持つパワー・エネルギーを強く実感したということです。
順を追って具体的に説明するとですね…
今回わたしは,生徒としてではなく,アシスタントティーチャーとしてトレーニングに参加しました。
その中で改めて気づいたのは,わたしが海外でトレーニングを受けているときに,どこかで無意識に劣等感を持っていること。
主な原因は二つ。
一つは,言語の壁です。
わたしにとって,英語は母語ではありません。
ネイティブはもちろんのこと,西洋人にはやっぱり及ばない。
だから常に,ことばを十分に理解しきれない不利を感じているわけです。
もう一つは,フィジカル的な弱さ。
わたしは,小さな日本人女性ですから,
体格の大きく筋肉のつきやすい西洋人にはフィジカルでも劣ります。
極端な話,喧嘩になったら力では勝てません。
そういう絶対的な不利って,やっぱりどこかで無意識のうちに不安につながっていたなあと改めて認識したんです。
生徒としてはね,それでも別に問題ないんですよ。
英語が理解できなくてもポーズができなくても。
でも,アシスタントティーチャーとなると… 大丈夫なんだろうか?
…と,どこかで不安だったんだな,と再認識したわけです。
しかし,実際には…
さまざまな国籍・文化を持ったインターナショナルな生徒たちはみんな明らかにわたしに敬意を抱き,信頼を寄せてくれました。
わたしが実際に何ができるからとか,何かをしてくれるからとか以上に,わたしがただそこにともにいること,それだけですでに彼らは何かを感じてくれていたんだろうなと思うんです。
それって,振り返ってみれば,わたし自身がEmilyや他の先生たちに感じてきたことと同じなんですよ。
わたしは,先生たちと普段から頻繁に連絡をとっているわけではありません。
たとえば,困ったことがあったときに相談するとかそういうこともほとんどありません。
でも,わたしはいつも彼らの存在を身近に感じています。
クラスを教えるとき,何かを考えるとき…
別に具体的に何かをしてくれなくてもいいんです。
実際にそこにいてくれなくてもいいんです。
でも,わたしは彼らの存在をいつでも思い出すことができる。
彼らが,わたしをとても認めてくれていることを思い出すことができる。
そうやって彼らがどこかにいるということを思い出すだけで,あたたかく安らかな気持ちに満たされます。
それがわたしの感じている the power of Presence なんです。
そして,その存在の力は,わたし自身にもあるのだということを,わたしは今回立場が変わって改めて学んだのです。
もしかしたら,あなたは,自分なんて誰のサポートにもなっていない,
わたしはあれもできないしこれもできないし…と感じているかもしれません。
たぶん,わたしもそう思ってきたんです。
英語も不十分な小さな日本人だし…と。
でも,そうじゃないんですよ!
具体的に何ができるとかじゃなく,あなたの存在そのものが必ず誰かを支えているんです!
では,目を閉じて。
あなたにとって大切な存在を思い出してみてください。
それはご家族かもしれないし,恋人かもしれないし,先生かもしれない。
あるいは遠いご先祖かもしれないし,
なぜか強いつながりを感じる歴史上の人物や架空の人物かもしれないし,
故郷の海や山かもしれない。
どんなに近くにいても遠くにいてもいい。
その人がいま身体を持って生きていても,もう身体がなくてもいい。
もう会えなくても,
いいえ,それどころか,
その人に実際に会ったことがあってもなくても関係ない。
あるいは,具体的な存在が思い浮かばなければ,
ただそんなあたたかさに満たされていると想像するだけでいいんです。
わたしたちがそういう存在を,そのあたたかさを思い描くことができれば,
それはね,もう確かにそこに,あなたのすぐそばに「ある」んです。
いいえ,はじめから,いつもあなたのそばに「ある」んですよ。
ただ意識していないだけで。
そして,あなた自身もまた誰かにとってそんなあたたかい「存在」なんです。
だってね,その「存在の力―the power of Presence」は普遍だから。
あなたにとって大切な存在が,あなたにとってそうであるように,
あなたもまた「それ」なんです。
そう,わたしたちはみんな,the power of Presenceそのものなんです。